軍事情報包括保護協定交渉再開へ


韓国紙セゲイルボ

突然の発表に動向見守る日本

 27日、東京で韓米日外交次官協議が開かれ、北朝鮮の核・ミサイル脅威に共同で対応することが話し合われた。同日、韓国では韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)締結交渉を4年ぶりに再開するという発表があった。理由は全く同じだった。北の脅威に効果的に対応するためだ。
 懸案の重さを考えると、韓米日協議でも当然この問題が議論されたと考えられるが、GSOMIAは議題にも含まれなかった。会見した杉山晋輔外務事務次官は、「たった今、韓国政府が日本政府と協議を再開すると発表したという話が入ってきて、知ってはいる」と話した。予想できない韓国政府の突然な決定に慌てたような印象も漂った。

 GSOMIAは李明博(イミョンバク)政府時期の2012年、署名直前まで行ったが、韓国で「密室交渉」論議がふくらみ失敗に終わった経緯がある。

 なぜ、いま、韓国政府は協議再開を突然宣言したのだろうか。日本もこの部分を注意深く見守っているようだ。日本では、12月に開催が予想される韓中日首脳会議を契機に、韓日首脳会談を開いて、協定書に署名する可能性があるという観測も出ている。

 ところで、最も重要な問題は韓国政府が国民の同意を得られるかどうかだ。日本政府も4年前の経験で知っている。杉山事務次官は、「慎重に対応する」と語った。同懸案が無理に進められる場合、韓国民が反発する可能性が大きい。世論が悪化して、日本がうっぷん晴らしの対象にもなりうる。日本も韓国の状況を知らないはずがない。

 日本でも連日「崔順実事態」が報じられている。朴槿恵大統領が政治的に窮地に追い込まれて、韓中日首脳会議が今年中に開けるかどうか疑問視されている。

 韓国の現状は、安倍晋三政権が最も惜しんでいるかもしれない。政府間慰安婦交渉で韓国政府を相手に「不可逆的解決」を勝ち取り、後は駐韓日本大使館前の少女像撤去問題だけを処理すればいいのだが、終止符を打つ直前に今回の騒動が広がったためだ。

 最近、在日韓国人は会いさえすれば「韓国の状況が本当に恥ずかしい。早く収まってほしい」と話す。日本国籍を取得せずに韓国人であることを誇らしく思いながら生きていく人々が日本にはかなり多い。彼らはソウル五輪の時も、外国為替危機の時も韓国を助けてきた。そのような彼らが今祖国を恥じている。

 朴槿恵政府は一日も早く事態を沈静させて、韓日外交に悪影響を及ぼさないように努力しなければならない。北朝鮮の脅威に対する対応のためにも緊密に対話をしなければならない。

(ウ・サンギュ東京特派員、11月1日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。