NYのラーメンに学べ-「月刊中央」より


米国に浸透する日本料理/ソフトパワーの必要性訴え

 筆者が駐在していた1990年代前半のニューヨークには日本のラーメン店はほんの数軒しかなく、地下鉄やバスを乗り継いで、ようやく懐かしい味にありつたものだった。だが、現在の同地では寿司や日本料理店はもとより、本格的なラーメン店があちこちにみられる。

 もともと、ラーメンは中国の「拉麺」から来ている。引っ張って麺を延ばすところからこの字がついているのだが、日本に渡ってきて独特の進化を遂げた。麺とスープという単純な食物でありながら、日本人の「極める」民族性が加わり、驚くほど洗練され深みのある料理に昇華し、すっかり日本のものになった。


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