ロシア大統領の訪韓契機に多様な国家利益創出へ


韓国紙セゲイルボを読む

 朴槿恵(パククネ)政府が執権以後、韓国を訪問する初めての4強国家(日米中露)指導者としてプーチン露大統領を選んだという点は、さまざまな意味で豊富な戦略的考慮が敷かれている。このような戦略的考慮を一言で表現しようとするなら、新しいユーラシア時代を迎えて、韓露が多様で互恵的な国家利益を創り出そうということだ。

 韓露両首脳が共同宣言文で強調した合意事項中、特に2点に注目する。まず経済的な実益を固めたという点だ。韓国政府はロシアが打ち出す「新極東戦略2025」を戦略的に十分に活用した。羅津・ハサンプロジェクト参加で期待される今後の経済的効果を含み、北極海開発に伴う各種共同事業、液化天然ガス(LNG)運搬船発注および極東地域港湾開発事業などが全部現実するなら、実に莫大な利益が期待される。

 2番目として韓半島の安定と平和のためのロシアの確答を明らかに受け取ったという点だ。北朝鮮問題はわれわれの問題ながら、同時に国際社会の問題だ。北朝鮮の核問題に対するロシアの断固たる立場と韓半島問題解決のため平和な努力への支持は結果的に朴槿恵政府の「韓半島信頼プロセス」に対する明らかな声援と解釈される。

 世界超強大国に囲まれた韓半島の地政学的条件は遺伝子(DNA)のような拒否できない宿命的現実だ。時には「宿命」という単語が厳粛で重く受け止められるが、結局はわれわれが克服して肯定的な未来に転換しなければならない宿題であることを新たに悟ることになる。

 プーチン大統領の訪韓を契機に、朴槿恵政府の執権初年度外交構想と戦略が徐々に終わろうとしている。遠くない未来に釜山を出発する列車に乗ってウラジオストクを経て、映画ドクトル・ジバゴのシーンのような限りない白夜を旅する日を夢見てみる。

(朴仁煇〈パギンフィ〉梨花女子大国際大学院教授、11月15日付)