老子が諭した「直枉新敝」、朴大統領は不偏不党人事を


韓国紙セゲイルボ

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19日、韓国のソウル中央地裁に到着し、報道陣の取材に応じるチョン・ユンフェ氏(AFP=時事)

 韓国歴代大統領はなぜ家族と親族・姻戚、そして側近の不正に対応できなかったのだろうか。さまざまな理由の中で、主な原因は主要業務の核心的な地位に不適任者を座らせたためということができる。

 換言すれば、大統領は血縁・地縁・学縁などで近い人物を責任者に任命した。そうすれば、信用でき、大統領に正しい報告をし、機密も漏れないという理由からだ。

 しかし、結果は正反対となる。責任者が権力者の壁となり、その立場を利用して、権力層と親密な繋(つな)がりを作って、出世の踏み台にしようとしたりした。こうした理由で大統領の早期レームダック化および政権の危機につながった歴史を国民は鮮明に記憶している。

 このような権力の属性を中国戦国時代「韓非子」はすでにかなり以前に警告していた。

 「王妃や内侍のように近い者は君主の精神を曖昧にして、(同休側近乱君魂)、親子や権力を握った臣下らは主君の恩恵を傷つけるから(父子権臣犯主恩)、内外をよく観察して、私的に請託するのを防がなければならない(察内観旁関請謁)」

 最近、大統領府・内閣の人事改編案が発表された。国政の効率性を高め、国民が体感する新しい変化を作り出すためのものというのが大統領府の説明だ。

 しかし、改編内容を見れば、国民は変化を体感しにくい。チョン・ユンフェ文書波紋以後、世論が求めた変化は大統領秘書室の全面的な刷新改編だった。しかし、世論は反映されなかった。

 国務総理が李完九(イワング)セヌリ党院内代表へと電撃的に交代させられたのも、大統領府の人的刷新が期待以下だという批判を揉(も)み消すためだとみられる。

 朴槿恵(パククネ)大統領は今後、人事で民心を納得させなければならない。「100%大韓民国」のため、大蕩平(不偏不党)人事を断行するよう願う。それでこそ国民の鬱憤を晴らすことができる。

 「老子」は「曲がったものを真っすぐに伸ばし、古くなったものを新しくしなければならない(直枉新敝)」として、「溝を埋め、曲がりを伸ばすことは天道に従い、古くなったものを新しくすることは生命の道理に従わなければならない(平窪直枉帰天紀毀旧性新従命理)」と諭した。

(黄鍾澤〈ファンジョンテク〉元論説主幹、鹿鳴文化研究所長、1月27日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。