北朝鮮の核問題解決法案で国民の不安感払拭を


韓国紙セゲイルボ

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7月26日、ミサイル発射訓練を視察し、笑顔を見せる金正恩第1書記(中央)(朝鮮通信=時事)

 これまで北朝鮮の核保有は3種類の危険をもたらすと分析されてきた。まず核物質と施設の移転問題だ。2007年にイスラエルはシリア内にある核施設を爆撃した。同施設は北朝鮮の支援で建設された事実が明らかになった。これは北朝鮮による核施設移転に該当する明白な事例であった。それでも韓国と米国と国際社会は北朝鮮に対して実効性あるいかなる制裁も取ることができなかった。

 2番目の危険は核拡散ドミノ現象だ。北朝鮮が数十個の核兵器を確保して実戦配置した場合、米国がいくら核の傘を提供すると公約しても、韓国と日本政府が自主的に核開発をせよとの国内政治的圧力に耐えられるかは疑問だ。

 北朝鮮の核は「現金」であり核の傘は「手形」にすぎないという認識と共に、安保不安感が大きくなるならば、東北アジア地域の核ドミノ現象を防ぎにくいだろう。

 最後は核戦争の危険だ。東北アジア地域で戦争が起きれば間違いなく、その戦場は韓半島だったとの歴史的事実を決して忘れてはならない。

 北朝鮮の核保有による上記の3種類の危険がかみ合わさって、北核危機はより一層悪化しているにもかかわらず、オバマ米政府の受動的“戦略的忍耐政策”は所期の成果を得られずにいる。

 中国は米中覇権競争に備えて、韓半島全体を緩衝地帯化することに関心を持っているだけで、全面的対北朝鮮制裁に出ていない。

 結局、韓国政府自身が北核問題を「足元の火」と見て、積極的に対処していくしかない。一日も早く北核問題解決方案を出して国民の安保不安感を払拭しなければならない。

(金暎浩〈キムヨンホ〉誠信女子大教授・国際政治学、8月29日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。