ワシントン知韓派のための投資、日本より非常に少ないのが現状


韓国紙セゲイルボ

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ブルッキングス研究所のコリアチェアに就いたキャサリン・ムーン教授(ブルッキングス研究所HPから)

 世界政治の中心、米ワシントンは”銃声なき戦場”だ。世界175カ国以上が大使館や領事館を置いて、本国の利益のための外交活動を行っている。数多くの企業と団体がロビイストを雇用して、競争を繰り広げている。

 歴史問題をめぐる韓国・日本間の葛藤が米ワシントンに広まった。日本は20日、河野談話検証結果を発表した直後、ワシントンを舞台に大々的な世論戦に出た。

 米国の外交政策に及ぼす影響力が大きい外交協会(CFR)ホームページに関連資料がすぐにアップされた。日本側の立場を英文で詳しく整理した35㌻の資料であった。シンクタンク関係者と学者にも資料を送ったという。

 日本は安倍晋三首相の靖国神社参拝に対する国際的非難世論と、バージニア州の東海併記法案通過で危機感を感じたということだ。外交だけでは限界があり、シンクタンクに攻略対象を転換したという。

 米国でシンクタンクは立法府と行政府、司法府に次ぐ第4府といわれている。政府外郭で政策を研究する機関だが、政策決定への影響力は大きい。また、政府と議会に人材まで提供する。シンクタンクから政府の高級官僚となり、退任後シンクタンクに戻ることが珍しくない。

 日本はかなり以前からワシントンのシンクタンクを後援し、米国内での影響力を拡大してきた。研究資金を支援することはもちろん、日本研修の機会を提供したり、ネットワークを構築してきた。

 笹川財団はシンクタンクの日本研究に年間350万㌦を支援する。日本財団も毎年600万㌦を注(つ)ぎ込んでいると推測される。日本財団はまた、ウッドロー・ウィルソンセンター、ブルッキングス研究所、国際戦略問題研究所(CSIS)などで、日本専攻ジュニア研究員を日本に招請するプログラムを運営中だ。今年上半期だけでも約100人が参加したという。

 韓国は国際交流財団がシンクタンク内の韓国研究基盤拡大のために努力しているが、同財団がシンクタンクに支援できる予算は年間15億ウォン(約150万㌦)内外で、日本に比べて非常に少ない。

 以前、米国のあるアジア専門家は、「日本の対米影響力が減少して韓国ロビー力が強化された」と診断したが、ワシントンの気流は相変わらず韓国より日本側へ片寄っていることは否めない。

 最近、韓国の大企業が対米ネットワーキングの重要性を認識して、国際交流財団と協力を始めたばかりだ。SKグループがブルッキングス研究所に“コリアチェア”(韓国碩座〈せきざ〉)を作ったのに続き、近い将来、現代自動車グループと国際交流財団マッチングファンドでウッドロー・ウィルソンセンターにコリアチェアが開設される。ワシントンでの「知韓派」作りは韓国の声を育てるための投資だ。

(パク・ヒジュン・ワシントン特派員、6月30日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。