統一議論を国民運動に昇華させよ


韓国紙セゲイルボ

官営団体の失敗を反面教師に

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韓半島の統一を願う「世界70カ国平和統一大会」(主催=南北統一運動国民連合・平和統一聯合、後援=韓国統一省など)が2013年8月24日、南北軍事境界線に近い韓国京畿道坡州市にある臨津閣で開かれ、南北統一を願って行われた日韓縦断自転車リレーの最終走者である70カ国の代表者が当地にゴールした

 年頭記者会見で「統一大当たり論」を開陳した朴槿恵(パククネ)大統領が就任1周年に合わせて、大統領直属「統一準備委員会」の設置を明らかにした。

 韓半島内外の千載一遇の協力気勢と国運隆盛の機会を民族念願の「統一」に集約させようという意思がにじみ出ている。

 朴大統領は、「統一準備委は外交・安保・経済・社会・文化など各分野の民間専門家たちと市民団体など各界各層が参加して、国民的統一議論を取りまとめ、具体的な統一韓半島の青写真を作る」と明らかにした。言葉だけでも興奮する。

 朴大統領の構想を現実化しようとするなら、既存の民間統一団体の総体的点検と結集が必要だ。多くの団体は異口同音に北朝鮮の主張を真似(まね)たり同調する進歩・従北的色彩が強い。だから、玉石を分けなければならない。

 憲法機構である民主平和統一諮問会議と政党・宗教・市民団体で構成された民族和解協力全国民協議会は、時の政権によって性格がころころ変わるなど、その役割を果たせていない。国家安全保障会議(NSC)と統一部は業務重複が多い。この際、機構・組織別の役割分担と機能調整など発展的再組織化が必要である。

 1987年に創立された南北統一運動国民連合は韓国動乱休戦60周年を迎えた昨年、「統一運動の主体は国民だ」をスローガンに掲げ、「統一祈願国民大討論会」「統一準備国民委員出帆式」等、民間統一運動の底辺拡大に努めてきた。

 70カ国代表が参加した臨津閣での「平和統一大会」、在日韓国人青年・大学生らで構成した自転車縦走団の韓半島平和統一祈願韓日3800㌔㍍縦走も行った。

 最近でも、全国主要都市を巡回している市民団体招請統一祈願討論会では、統一準備国民委員・中央委員約4000人に委嘱状が渡された。彼らは準備された統一の働き手である。

 新しく出発する統一準備委は政府主導の御用団体に転落した官営団体の失敗を反面教師として、ボタンのかけ違いは避けなければならず、すでに議論されている一部の政治家たちのポスト争いに掻(か)き回されてはならない。

 数十年前から統一運動の種を蒔(ま)いてきた民間の統一運動団体の血の涙が出る努力と実績は評価されて当然だ。

 ドイツ統一前に独ブランデンブルク門で訴えた「自由が勝利者だ」というレーガンの言葉のように、自律的に成長してきた民間団体の豊富な経験と知性と蓄積されたノウハウは統一運動の大事な資産である。統一の主体は国民なのである。

(趙貞鎮〈チョジョンジン〉論説委員、2月27日付)