平昌を「成功した経済五輪」にするために


韓国紙セゲイルボ

 4年後の平昌(ピョンチャン)冬季五輪開催には憂慮の声が絶えない。それは過去の冬季五輪で経済的に成功した大会が多くなかったためだ。大会後、維持費用が問題になっている所が多い。これは政府と地域住民の財政負担に直結する。

 代表的な事例が1998年日本長野冬季五輪だ。長野大会は五輪開催のために必要な競技場を大部分新しく建て、交通アクセスを高めるために、大規模社会間接資本投資が行われたが、大会以後、持続的な財政負担が問題になっている。

 これとは反対に成功事例としては2002年米ソルトレーク大会が代表的だ。同大会は既存の施設を最大限活用して、五輪のための追加支出を最小化し、大会開催以後、スポーツ産業と連携して、施設を活用することで持続的な収益創出を実現した。

 この「二つの都市の話」はわれわれに明確な教訓を与える。4年後、平昌冬季五輪大会を「成功した経済五輪」にするためには、まず大会以後、活用度が不確かな固定施設建設費用を果敢に最小化すべきだ。今から大会以後の施設管理のための専門担当機構を作って、現実的なロードマップを構築しなければならない。

 また大会開催以後にも観光客誘致に努力しなければならない。冬季五輪開催地としてのイメージを観光マーケティングに十分に活用できるならば、赤字五輪に対する憂慮を払拭できるだろう。

 だが見過ごしてはならない点もある。単に冬季五輪を経済の側面だけで評価するのは望ましくない。五輪の開催成功は国家イメージ向上や国の品格上昇、国民の結束と自負心鼓吹など数値で現わしにくい多様な基準でも評価されるためだ。目に見える利益も重要だが金で買えない無形の価値も大切だという点を忘れてはならない。

(朱遠〈チュウォン〉現代経済研究院首席研究委員、2月26日付)