李石基議員懲役20年求刑が示唆するもの


韓国紙セゲイルボ

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韓国地下組織R・Oを率いていたとみられる統合進歩党の李石基議員(右)。写真は逮捕前の昨年8月、捜査に反対するデモ集会に参加した時のもの。左は李正姫党代表

 統合進歩党所属の李石基(イソクキ)議員の内乱陰謀疑惑事件は、数カ月間の激しい法廷攻防の末、3日に検察が李議員に対して「懲役20年」と「10年資格停止」を求刑し、裁判所の判決を待つことになった。

 検察は重刑求刑の理由を「国会議員の身分で多量の利敵表現物を所持し、北朝鮮の主体思想と対南革命に追従しながら、国益優先義務を破った」とし、さらに「李議員が過去、民主革命党事件で服役した後にも革命組織(RO)を結成して、組織員らに暴力革命を決意するように扇動するなど、全く反省しておらず、再犯を遮断する方法として長期間、社会から隔離する」と提示した。

 裁判は事件の重大さからして大法院まで争われるだろう。その過程で、韓国社会の進歩と保守両陣営間の論争はより一層激しくなると予想される。論争ができるのは民主国家の証しだが、それが事件に影響を及ぼしてはならない。

 なぜなら事件はあくまでも内乱陰謀と扇動および国家保安法違反など国家存立と国民安全に対する重大な刑事事件であるためだ。徹底した証拠裁判主義に立って、法理適用で結果が出されなければならない。

 法律には保守や進歩はない。憲法は裁判官に憲法と法律によって法的良心で判断することを要求している。

 この事件の真の意味は国民の代表として憲法を順守して国家を守護しなければならない現職国会議員が内乱陰謀罪で裁判を受けているということであって、それ自体が国家と国民の不幸だ。

 検察の重刑求刑は国会議員身分を持った者が国家の存立と憲法守護の義務を放棄して、国民の信頼を破ったことに対する責任を問う重要な意味を持つものだ。

(金サン謙〈キムサンギョム〉東国大教授・憲法学、2月5日付)