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歴史的舞台の大聖堂の修復に富豪が資金提供へ


 パリのノートルダム大聖堂の15日の火災を受け、修復に向けた機運が高まっている。フランスの大企業ケリングの会長兼最高経営責任者(CEO)であるフランソワ・アンリ・ピノー氏は、大聖堂の修復に1億ユーロ(約126億円)を寄付することを表明した。欧米の富豪などにも寄付の輪が広がっている。

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5日、パリで、ノートルダム大聖堂の火災を見て嘆き悲しむ人々(EPA時事)

 1991年に世界文化遺産に登録されたゴシック建築の傑作でもあるノートルダム大聖堂には毎年、カトリック信者を含む年間2000万人近い人々が世界中から訪れている。聖母マリアにささげるため1163年に着工され1345年に完成した大聖堂であり、フランス人にとっては信仰の中心に位置する重要な存在だった。また、パリから地方に何キロという場合のゼロ地点でもある。

 同大聖堂の火災はこれが初めてではないが、ナポレオン1世の戴冠式、ポンピドゥー氏やミッテラン氏ら歴代大統領の葬儀も行われるなど、大革命を挟み現代まで、さまざまな歴史的ドラマに立ち合ってきた。ビクトル・ユーゴーの小説「ノートルダムのせむし男」により、映画化やアニメ化されたことでも世界に知られている。

 しかし、老朽化が進んでおり、専門家の間で何度も修復を急ぐよう指摘されていただけに、傷みがひどいことでも知られていた。

(パリ 安倍雅信)