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フィンランド総選挙、政権交代へ


社民党勝利、極右が第2党

 北欧のフィンランドで14日、総選挙(一院制、定数200、任期4年)が行われ、即日開票の結果、シピラ政権が推進した緊縮財政政策を批判してきた野党で中道左派の社会民主党(SDP)が40議席を獲得し第1党となった。ユハ・シピラ首相率いる中央党は18議席を失い、党始まって以来の最低数となる31議席で、国民連合党の38議席に次ぐ第4党に終わる惨敗だった。

アンティ・リンネ次期首相

14日、選挙結果を受け、インタビューを受けるアンティ・リンネ次期首相(吉住哲男撮影)

 シピラ首相は、経済・財政問題、雇用問題が4年前に比べ大きく改善してきたことを強調したが、国民の多くはその恩恵を感じていなかったことを示す結果となった。また、極右派のフィン人党がSDPより1議席少ない39議席を獲得し、第2党となった。

 フィン人党の躍進は、反移民に共感する人々の支持によるもので、同国における反移民感情が根深いものであることを示す結果ともなった。また、同党以外の各党は、地球温暖化問題について気温上昇を産業革命から1・5度に抑える環境政策を公約し、温暖化対策のための各種課税案などへの批判票がフィン人党に流れた。

 SDPは40議席を獲得し第1党となったものの、単独で過半数には及ばず、労組指導者だったアンティ・リンネ党首(56)が連立政権に向けて他党との交渉に入る。しかし、主要4党の議席数がほとんど変わらず、財政改革で対立したSDPと中央党、反移民で温暖化対策強化に批判的なフィン人党などと政策に開きがあることもあり、連立交渉は難航するとみられている。

 SDPのリンネ党首は選挙結果を受け、社会における貧富の差の拡大、特に年金受給者、学生、子供を持つ家庭が困難な状況にあるという認識を示し、貧富の差を解消していきたいと次期政権に向けて抱負を語った。

 日本との今後の関係に関する本紙の質問に対しては、「フィンランドと日本の関係は今まで良い関係を築いてきたので、その関係を維持するとともに深めていきたい」と述べた。

 国民の高齢化に伴う社会福祉に対する財政確保のためにフィンランドでは、今後4年間に少なくとも10万人以上の新たな雇用を創出する必要性があると言われている。次期政権を担うことになるリンネ氏は、国民の負担の大きい社会医療システムを見直すために増税による予算増加を提示しているが、経済専門家たちからは雇用促進を妨げるとの懸念が出ている。

(ヘルシンキ 吉住哲男)