米軍の恒久的駐留、ポーランド受け入れ意向


ロシア反発、報復示唆

 ポーランド政府は28日、米軍の恒久的駐留を受け入れ、駐留施設の建設に最大20億㌦を拠出する用意のあることを明らかにした。ロシアはこれに強く反発し、報復を示唆。親米姿勢を強めるポーランドにロシアは警戒を強めており、両国の緊張が高まっている。

 ポーランド当局者は28日、米軍の恒久的駐留をめぐって、米政府と協議していることを表明、ロシアへの抑止力の強化が目的であることを明言した。ポーランドのニュースサイト、オーネットによると、ポーランド政府は、米軍の恒久的駐留は「米国の東欧同盟国支援をめぐるロシアに対する明確なメッセージ」と強調、「15億㌦から20億㌦」を投入し共同軍事施設の建設費を全額負担する意向を表明した。

 トランプ米大統領は、北大西洋条約機構(NATO)加盟国への防衛費負担増を求めており、ポーランドの決定はトランプ氏の要請に応えるもの。

 これを受けてロシア政府のペスコフ報道官は、「これらの拡張主義的措置に対し均衡を守るため、対抗手段を取る」と主張。ロシアのザバロフ上院議員(外交委員会)も、「報復攻撃の標的になる」と警告を発した。

 ロシアは2月、ポーランドに隣接するバルト海沿岸の飛び地カリーニングラードに、核兵器を搭載できる弾道ミサイル「イスカンデル」を配備したと発表、ポーランドとリトアニアは警戒を強めている。

 オバマ前大統領は2017年1月、ポーランドに3000人を暫定的に派兵した。基地建設と米軍恒久的駐留により、ロシアに対する抑止力は強化され、ロシアの一層の反発は不可避だ。

 ポーランドは3月、50億㌦で米国のミサイル防衛システムを投入することで米国と合意したばかり。トランプ氏は昨年7月、ポーランドを訪問し、両国の「強い絆」をアピール、「中・東欧の平和と安全を守る」ことを約束していた。

(ワシントン・タイムズ特約)