カタルーニャ独立住民投票、ロシアが偽情報流し干渉


米情報戦専門家

 ロシアの情報機関は、スペイン・カタルーニャ自治州の独立を問う住民投票で「フェイクニュースと偽情報」を流し、選挙結果に影響を及ぼすことに成功したようだ。米情報戦専門家モリー・マクキュー氏が明らかにした。

 ロシアは、政府系メディアやソーシャルネットワーク上の自動化プログラム「ソーシャルボット」を使って、反西側、反民主主義的な情報を流し、住民投票、選挙に介入してきたことが指摘されている。

 マクキュー氏は住民投票へのロシアの情報戦についてワシントン・タイムズに対し、「ロシア政府は社会的分断を作り出すことはできない。しかし、亀裂を見つけ、それを拡大することはできる。米大統領選ですでに実行した。分断を見つけ、そこに付け込む。英国の欧州連合(EU)離脱ブレグジットでも同様の手法を取った」と指摘した。

 同氏は、ロシアは9月に行われたイラクのクルド自治政府の住民投票にも介入していたと指摘、「ロシアは支配というよりも、体制を動揺させるための目に見えない戦争を実行している」と警告した。

 カタルーニャ自治州の住民投票でも、「見えないロシアの手」が選挙戦に影響を及ぼそうとしているという警告が出ていたが、対策を講じることはできなかったようだ。スペインのエルパイス紙が投票前、ロシア政府系メディア、ロシア・トゥデー(RT)などからの介入を警告する記事を報じていた。

(ワシントン・タイムズ特約)