米トランプ政権から来年2月末までの猶予期間…


 米トランプ政権から来年2月末までの猶予期間と引き換えに突き付けられた宿題に、中国がクリスマス返上で取り組んでいるようだ。北京で始まった全国人民代表大会(国会)常務委員会で、政府が「外商投資法」の草案を説明した。

 昨日の小紙1面は、中国が「外国企業に技術移転を強要することを禁止する法律の制定に着手した」(北京時事)と報じた。中国進出の外国企業が提携先企業や地方政府から技術移転を強要される問題については、米国が今月1日の米中首脳会談で交渉項目の筆頭に「知的財産権の保護」の明文化を要求している。

 だが、中国はこれまで問題の存在自体を否定してきた。それだけに、法ができても急場しのぎの建前だけの可能性もある。実効性まで見極めた上でないと評価は難しかろう。

 一方、安全保障上の懸念から米国で始まった、中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)のシステムや製品排除の動きは、日豪加から英仏独などの民間大手にまで広がった。

 加えて、カナダによる華為幹部の容疑者逮捕をめぐり、中国当局がその後3週間ほどの間にカナダ人3人を次々に拘束したことが波紋を広げている。

 中国のコワモテの対応は「報復」と容疑者奪還への「人質」確保が疑われる。かつて日本も沖縄県・尖閣諸島沖の領海内での中国漁船員逮捕の際に同様の対応で迫られ、当時の民主党政権は情けなく腰砕けた。今回は法に基づいて連携する米加が相手である。