中国、北朝鮮への石炭輸出が増加


米朝会談前の5、6月

 北朝鮮の貨物船少なくとも29隻が、米朝首脳会談直前の5月から6月にかけて、中国・竜口港の石炭積み出しドックに入港していたことが、衛星写真などから明らかになった。海上交通の追跡などを行うウィンドワード社からの情報をもとに米NBCニュースが5日報じた。

 北朝鮮船は1月から4月にかけて竜口港に入港しておらず、米朝会談を前に米政府からの経済制裁が維持される中、中国が北朝鮮への影響力を維持するために、石炭輸出量を増加させたものとみられている。

 トランプ大統領は、米中貿易交渉を有利に進めるために、米朝間の核交渉を妨害していると中国を非難したばかり。これに対して中国は、北朝鮮との交渉を難しくしているのは、中国ではなく、米国だと強く反発している。

 中国が、核交渉を妨害しようとしているかどうかについては専門家の間でも意見が分かれる。

 元朝鮮半島和平担当大使のジョセフ・デトラニ氏はワシントン・タイムズに対し、中国が交渉を妨害しているというのは的外れと指摘、核廃棄が進まないことに中国はいら立っているとの見方を示した。

 米シンクタンク、ヘリテージ財団のブルース・クリングナー上級研究員は、トランプ政権は北朝鮮の核兵器を放棄させるためには「最大限の圧力」が不可欠と言いながら、制裁を手控えていると指摘した。

(ワシントン・タイムズ特約)