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対中債務膨らむパキスタン


スリランカの二の舞い懸念

 中国からの融資を受けて国内インフラ整備を進めるパキスタンが、膨らむ対中債務をめぐって国際通貨基金(IMF)に緊急援助を求めるのではないかとみられ、最大のIMF出資国である米国とパキスタンとの間でつばぜり合いが展開されている。

 パキスタン政府は、中国のシルクロード経済圏構想「一帯一路」の一環として570億㌦規模の「中パ経済回廊(CPEC)」計画を進めている。中国の習近平国家主席はCPECを、今後のアジア、アフリカ、東欧の開発のモデルケースと考えているとみられるものの、パキスタンでは対中債務が膨らみ、IMFに緊急援助を求めるとの見方が支配的だ。

 これに対し米国のポンペオ国務長官は今月に入って、米国の税金を投入したIMFの支援で、対中債務を補填することになると強く反発。米連邦議員16人も超党派で、緊急援助への反対を表明した。

 ポンペオ氏とムニューチン財務長官に宛てた書簡で議員らは、「(一帯一路が)最終的に目指すのは、中国が支配する世界経済秩序の創設」であり、「中国は、他国を経済的人質に取り、身代金を強要することで、戦略地政学的な目的を果たそうとしている。米国はこれに対抗すべきだ」と訴えた。

 中国の開発支援を受けたスリランカが債務を履行できず、ハンバントタ港の租借権を中国に99年間付与することを強いられたばかり。

 中国が開発を進めるパキスタンのグワダル港でも、中国に対し大幅な譲歩を迫られることになるのではないかと懸念されている。

 パキスタンのイムラン・カーン次期首相は、米政府からの圧力は「一方的で、歪められている」と不満を表明、「中国は、外国投資が干上がり、エネルギー不足とインフラ不足で経済活動がまひしているパキスタンの開発へ支援の手を差し伸べてくれた」と、中国からのインフラ投資を歓迎する意向を明確にしている。

 アサド・ウマル次期財務相は7日、IMFに支援を要請するかどうかを9月中に決めることを表明するとともに、中国との協力を継続することを明らかにした。

 (ワシントン・タイムズ特約)