上海協力機構、中露の対北姿勢は甘過ぎる


 中国とロシアを軸に中央アジア4カ国(カザフスタン、ウズベキスタン、キルギス、タジキスタン)とインド、パキスタンの8カ国で構成する上海協力機構(SCO)首脳会議が中国山東省青島で開催された。同時期にカナダで開かれた先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)に対抗して非西側諸国の団結を誇示した。

首脳会議で米国を牽制

 SCO首脳は最終日に共同宣言に当たる「青島宣言」を採択した。この中で朝鮮半島問題に関して「対話を通じた政治的、外交的な方法でしか解決できない」と宣言。中国とロシアは北朝鮮の金正恩政権が非核化の条件として主張する「段階的で同時平行的な措置」を支持する立場を表明してきた。

 だが、北朝鮮は過去も非核化を約束しながらも核開発を進めてきた。中国やロシアも参加した6カ国協議では2005年9月、北朝鮮に非核化を確約させた共同声明を採択したが、北朝鮮は約1年後の06年10月、最初の核実験を強行した。同時並行的な見返りとして制裁緩和などを行えば、北朝鮮の「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」の実現が難しくなる恐れがある。

 SCO首脳会議は米朝首脳会談の直前に行われた。北朝鮮の後ろ盾を演じる中露両国には連携をアピールし、米国を牽制(けんせい)する狙いがあろう。しかし、北朝鮮の核開発は国連安全保障理事会決議に違反するものだ。中露は安保理常任理事国だが、北朝鮮に対する姿勢が甘過ぎるのではないか。

 G7サミットでは貿易問題をめぐって、保護主義的な動きを強めるトランプ米大統領と、これに反発する欧州各国やカナダが対立。トランプ氏はいったん合意した首脳宣言を「承認しない」と表明するなど足並みの乱れが目立った。

 青島宣言では「経済のグローバル化が保護主義の脅威にさらされている」「あらゆる形の保護貿易に反対する」などと述べた。これも米国を批判するとともにSCOの結束を演出したものだろう。

 だが、SCOも一致団結しているとは言えない。首脳会議には昨年に新規加入を認められたインドのモディ首相が初参加したが、青島宣言では中国主導のシルクロード経済圏構想「一帯一路」への支持を表明した国にインドは含まれなかった。

 インドは国境線をめぐって対立する中国の南アジアへの影響力拡大に警戒感を強めている。中国はスリランカやパキスタンで港湾建設を支援し、両国と港の長期租借で合意。モルディブやバングラデシュでも拠点構築を目指すなど、インドを取り巻く「真珠の首飾り」戦略を進めている。インドが一帯一路に懐疑的な姿勢を示すのは当然だ。

国際秩序を揺るがすな

 SCOの加盟8カ国の人口は30億人を超え、その影響力は大きい。しかし、中国は南シナ海の軍事拠点化を進め、ロシアもウクライナ南部クリミア半島を併合するなど覇権主義的な動きが目立つ。

中露両国は国際秩序を揺るがすのではなく、地域の平和と発展に向けて尽力すべきだ。