インドがインドネシアに軍港新設の計画


中国牽制へ米国が支援

 インドのモディ首相は、中国に対して「連携」を呼び掛けるなど、融和的姿勢を取る一方で、中国の周辺地域への軍事的、経済的進出に対抗するために、米国の支援を受けてインドネシアに軍港を新設する計画を発表した。

 アジア安全保障会議出席のためシンガポールを訪問したモディ首相は1日、中印はアジア全体の発展のため「分断と対立を越えて、協力し合わなければならない」と対話の必要性を強調した。

 モディ氏はその前日、インドネシアと軍港新設で協力することを表明。海軍力の増強を進める中国を牽制(けんせい)する狙いがある。

 情報筋がワシントン・タイムズに明らかにしたところによると、米当局者らは数カ月前から、東アジアでの米国の重要同盟国であるインドに水面下で働き掛け、海軍の活動を活発化させ、米国の同盟国と共に、勢力を拡大する中国に圧力をかけるよう求めてきたという。

 米国は、急速に拡大する中国の経済圏構想「一帯一路」への対抗で、インドが中心的役割を果たす必要性を表明している。中国は同構想の中で、アジア、アフリカ諸国に巨額の融資を行ってインフラ開発を行い、現地の資源の入手を図っているが、米国は透明性を欠き、「略奪的」と反発を強めている。インド周辺のスリランカ、ネパール、パキスタンも中国の融資を受けている。

 中国の勢力拡大にインドの安全保障当局者らも懸念を強めている。

 インドのデリーで最近開催された米印間の安保会議で、プラディープ・チョーハン元海軍中将は「中国の活動を受けて、インドと米国が海軍間、海事当局間、国家間の連携をいっそう強化し、行動する必要性が高まった」と主張。米印が、インド太平洋地域で同盟国間の海軍の協力を拡大することを真剣に検討すべき時が来ていると訴えた。

(ワシントン・タイムズ特約)