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スーダン大統領が辞任


軍事クーデターか 強権30年に幕

バシル大統領

バシル大統領(AFP時事)

 スーダン政府筋は11日、バシル大統領が辞任したことを明らかにした。エジプト紙「アルアハラムオンライン」が同日、報じた。スーダン軍は同日、スーダンの国営放送を通じ、「まもなく重大声明を発表する」と宣言していた。

 アラブ首長国連邦(UAE)の衛星テレビ局アルアラビアは、「全権を引き継ぐ軍事評議会の構成について話し合いが続いている」と報じた。暫定政府設立に向けた協議が行われているものとみられる。

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11日、ハルツームで、デモ隊と一緒になって行進するスーダン軍の兵士(AFP時事)

 同国の国防相は、バシル大統領は辞任し拘束されていると発表。ロイター通信も、現地の関係者が「大統領は公邸で、厳重監視下に置かれている」と述べたと報道していた。軍によるクーデターの可能性もある。

 スーダンでは昨年12月以来、パンの値段が3倍に跳ね上がったのを契機に、バシル政権に対する抗議デモが続いており、6日からは5夜連続で、デモ隊が軍本部を取り囲み、バシル大統領の辞任を求めていた。

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 バシル氏は1989年の無血軍事クーデターで政治の実権を握ったが、93年に米国がスーダンをテロ支援国家に指定してから孤立状態が続いていた。03年から続くダルフール紛争での集団虐殺に関与したとして、国際刑事裁判所から逮捕状が出されている。スーダン南部にイスラム法(シャリア)を強要するなど、イスラム根本主義政策を実行した人物としても知られるバシル氏の辞任により、30年にわたる強権支配に幕が引かれることになる。

(カイロ 鈴木眞吉)