遺族ら、現場保存を訴え―同時テロから2年
「遺体埋もれた場所、残して」

グラウンド・ゼロで10日、犠牲者一人ひとりの名前が書かれた星条旗を見つめる女性=池本拓撮影

同時テロ2周年を前にグラウンド・ゼロ訪れた人々=池本拓撮影
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【ニューヨーク10日池本拓】米同時テロの二周年を前日に控えた十日、約二千八百人が犠牲になったニューヨークの世界貿易センタービル跡(通称グラウンド・ゼロ)を、市民や多くの観光客が訪れた。中でも、目立っていたのは黄色と黒のリボンを配る遺族の団体のメンバーの姿だった。
メンバーの一人、市内の病院で働く看護士マーガレット・コーリーさんは、消防士だった息子のマイケルさん=当時(32)=をテロで亡くした。紙袋からリボンを取り出し、グラウンド・ゼロを訪れた人に丁寧に渡す。黄色は現場の保存を、黒は犠牲者の追悼を表している。
「追悼施設はどのようなものでもいいし、誰がデザインしてもいい。でも、犠牲者の遺体が埋もれていた場所は残して欲しい」
マーガレットさんらは、現場の地表から下へ六十フィート(約十八メートル)までの空間を追悼施設の一部とするよう求めている。ここは遺体が最も多く発見された所だ。復興計画では、ここにバス・ターミナルを建設する案が浮上している。
「いったんここに建物をつくったら、もうやり直しはできない」と力強く語るマーガレットさん。保存運動にかける熱意は、息子を失った悲しみの裏返しでもある。