イラク問題で公開協議―安保理
国連総長、結束呼び掛け
【ニューヨーク26日池本拓】国連安全保障理事会は二十六日、イラク問題について、開戦以降では初めてとなる公開協議を開催した。アナン事務総長は冒頭、「安保理がその正当な役割を回復することが重要」と述べ、開戦に至った分裂を乗り越えての結束を呼び掛けた。この日の会合では四十数カ国・組織の代表が意見を表明したが、大多数は米英などの武力行使を非難。結束にはほど遠い現実を改めて印象付けた。
協議は二十七日も行われ、二日間で合わせて七十二カ国・組織の代表が演説する。
アナン事務総長は、「イラクは安保理が与えた『最後の機会』を生かさなかった」と指摘する一方で、安保理の合意がないままでの(米英などの)武力行使には正当性に疑問が残ると述べた。
協議ではイラクのアルドゥリ国連大使が、「米英の植民地支配的な侵略は、国際社会の意思に露骨に挑戦するものだ」と述べた。また協議の開催を要請したアラブ連盟のマフマサーニ代表(オブザーバー参加)は、「攻撃は国連憲章と国際法の原則に反し、国際の平和と安全への脅威」として、米英の無条件撤退を求めた。
これに対し、武力行使に支持を表明したのは、米英とともに軍事作戦に加わっているオーストラリアのほか、日本や韓国、クウェートなど計九カ国だった。
米国のパウエル国務長官は同日、アラブ諸国などの撤退要求に対し、「現時点での停戦は意味がない」と一蹴(いっしゅう)した。カタールの衛星テレビ局アルジャジーラに語ったもので、長官は、停戦は「不可避のものを先送りし、サダム・フセイン(大統領)が『重大な結果は避けられる』と信じる機会を与えるだけ」と述べた。