軍事周波帯の携帯電話会社移管で議論
【ロサンゼルス26日宮城武文】携帯電話を利用した電子メールのやり取りなどの需要増加と技術進歩により、携帯電話会社は宇宙衛星との交信をより効果的に行うための新たな電波周波数帯を求めているが、米軍が軍事目的で使用している周波帯の民間コミュニケーション会社への売却問題をめぐって大きな議論が起きている。
ホワイトハウスや商務省関係者は国家の安全を損なうことなく軍が管轄する一部の周波帯の売却をすることで、経済発展に貢献できるとしているが、軍関係者は批判を強めている。
電波周波帯を担当するスチーブン・プライス国防次官補は二十五日の議会審議会で、「周波帯は軍の生命線。宇宙衛星との無線コミュニケーションがなければ、イラクの指導層を狙った攻撃など正確な細部の標的への誘導爆弾投下、ミサイル攻撃は出来なかった」と懸念を表明した。
これに対して携帯コミュニケーション・インターネット協会のスチーブン・ベリー副社長は、携帯電話でのデジタル映像技術、高速インターネット技術などの発展により、この分野で今後十年の間に五千億ドルの経済成長、四十万人の雇用増加が見込まれるなどとして、軍が使用している周波帯の民間への開放を訴えた。
ジョン・マケイン上院議員(共和、アリゾナ州)などはこうした周波帯の民間への移行を可能にするような法案を議会に提出する予定だ。
しかし、プライス次官補は、同盟国の軍でも同じ周波帯を使って通信を行っていることなどを挙げ、移管は簡単ではなく、安全上の問題が起きるとしている。
審議会に出席したナンシー・ヴィクトリー次官補は「周波帯は軍や国土安全のためだけに使用されるものではない。経済発展と技術発展に貢献することで、経済安保の強化も出来る」と述べ、移管を支持する発言を行った。