バグダッドに米の工作員
開戦の数週間前から活動
通信を分析、大統領の居所探る
【ワシントン支局21日】米国の複数の政権当局者は二十一日、米情報当局などの工作員が対イラク開戦の数週間前からバグダッドで活動し、フセイン大統領らの居場所を特定するための情報収集を行っていたことを明らかにした。UPI通信が同日、伝えた。
最高機密扱いとされるこの作戦は、米中央情報局(CIA)の指揮の下、CIAと米軍の合同チームが実施した。
CIA関係者がUPIに語ったところによると、「最も重要な情報」は、バグダッドの光ケーブルの通信施設に侵入した工作班によってもたらされたという。光ケーブルは、電話回線としては最も秘匿性が高いとされるが、この関係者によると、工作員は通話を解析し、発信元を特定できたという。
作戦に参加したのは、色の浅黒い黒人か中東系の工作員が主で、イラク人になりすまして活動。いずれもアラビア語に堪能で、方言についての知識もある。バグダッドの軍事・居住拠点は、こうした工作員や機器によって監視されていたという。
米国はイラクの現地時間二十日の早朝、バグダッド近郊にある建物に対し、巡航ミサイルと戦闘攻撃機で精密照準爆撃を行った。攻撃対象は、現地で収集された情報をアラビア語に堪能な国防情報局(DIA)の分析官が検討し、最終的に決定された。政権の二人の当局者によると、攻撃当時、フセイン大統領と二人の息子が建物内にいたのは間違いないという。
情報当局者の間では、フセイン大統領は依然として生存しているとの見方が有力だが、攻撃によって内耳を負傷したと考えられている。一方、大統領の長男ウダイ・フセイン氏は、「死亡した」とする信頼度の高い複数の報告があるが、事実かどうかの確認はできていない。
フセイン大統領は第一波の攻撃後に行った演説で、「この一家は、この戦争で犠牲を捧げた」と述べた。CIAの元アナリストの一人は、この発言を根拠に、クサイ氏が死亡したとの見方を示している。
またこの攻撃で、北部軍管区のイブラヒム司令官も死亡した可能性があるという。同司令官は、革命評議会の副議長でフセイン大統領の側近の一人。