妥協に向け、大詰め―安保理のイラク協議
中間派「45日の猶予を」―米、大幅譲歩は拒否
【ニューヨーク11日池本拓】イラクの大量破壊兵器査察をめぐって国連安全保障理事会が分裂している問題で、妥協を模索する動きが活発化しており、協議は大詰めを迎えている。このうち、最後通告か査察継続かで態度を決めていない非常任理事六カ国は十一日、「四十五日」の猶予をイラクに認める案を非公式に示した。
メキシコやチリなど「中間派」六カ国が提案したこの妥協案は、イラクの協力を試すための「判断基準」を設定した上で、履行のために四十五日の猶予期間を与える内容だ。
同案について、米ホワイトハウスのフライシャー報道官は十一日の会見で、「三十日とか四十五日といった提案は、出発点とはならない」と述べ、期限に関して大幅な譲歩はないとの考えを示した。
米英やスペインが提出した決議案は、イラクの履行期限を「三月十七日」に設定しているが、安保理は十二日も公開協議を開催することから、採決は早くても十三日だ。このため、国連では「十七日の期限は非現実的」との見方が広がっており、米国もこの点では妥協を迫られそうだ。
一方、英国は、イラクに十日程度の猶予を与え、武装解除に向けた「戦略的決断」を求める妥協案を検討している。これは「十七日」の期限を先延ばしすると同時に、科学者の国外での聴取の実現などの「判断基準」を盛り込むものだ。
また、カナダも十一日、イラクの猶予期間を「三週間」とする独自の提案を行った。
フライシャー報道官はこの日、「決議案の採決は今週に行われる」と明言。協議のために残された時間はわずかとの見方を示しており、調整はヤマ場を迎えている。
米英は妥協の動きを見せながらも、両国の姿勢には温度差がみられる。これは、米国の世論が武力行使に傾いている一方、英国では反戦論が強いためだ。ただ、ニューヨーク・タイムズ紙によると、米国としても、決議採択に必要な九カ国の賛成を集めることで、フランスやロシアが拒否権を行使した場合でも、「道義的な授権は得られた」として武力行使への理解を求める考えだ。