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対イラク開戦へ突き進む米

批判の中で必要性訴える政府首脳

 【ワシントン10日時事】大量破壊兵器の武装解除でイラクに与える猶予期間を十七日までとする米英提案の修正決議案が、今週中に国連安保理で採決にかけられる。ブッシュ米政権は、採択に必要な九票以上の確保に自信を示しながらも、フランスなどが拒否権を行使して同案が否決された場合は、安保理の動きを無視しても、英国などとともに攻撃を開始する準備を進めている。

 九日に米テレビ各局のインタビューに応じたパウエル国務長官とライス大統領補佐官(国家安全保障担当)は、いずれも「時間切れ」が間近だと強調。「フセイン(大統領)のゲームをやめさせる時だ」(ライス補佐官)、「戦いが必要なら、踏み切るしかない」(パウエル長官)と威勢のいい発言を繰り返した。

 しかし、ライス補佐官がインタビューを受けたワシントンのABCテレビの建物の外では、反戦の抗議行動をしていた五人が逮捕されるなど、国内にも政府の戦争準備に反対の声が広がってきた。

 昨年のノーベル平和賞受賞者であるカーター元大統領は、九日付のニューヨーク・タイムズ紙への寄稿で、「(イラクへの)軍事介入の余波で中東地域は不安定化し、テロリストが米国内の安全を一層脅かすだろう」と批判。来年の大統領選挙に名乗りを上げているディーン前バーモント州知事(民主)も、「対イラク戦争は米国の防衛に役立たない」などと手厳しい。

 ただ、ブッシュ政権は全く逆に考えている。ライス補佐官は「指導者が独裁者に早く対処しなければ、また一昨年九月十一日のようなテロが起きる。しかも、今度は生物兵器が使われるかもしれない」と語る。パウエル長官も「残念なことに、世界の多くの人が危険に気付かない」といら立ちを隠さない。

 珍しくホワイトハウスで週末を過ごしたブッシュ大統領。自分の描いたシナリオ通り、開戦に向け「最後通告」を発表するのか。それとも、査察にもうしばらくの猶予を与えるのか。多くの国が米国の軍事行動に待ったをかけようとしている中で、大統領は間もなく、歴史的な決断を下そうとしている。

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