イラク査察報告を開始―安保理
協議の難航は必至―外相級会合
【ニューヨーク7日池本拓】国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)のブリクス委員長と国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長は七日午前十時半(日本時間八日午前零時半)すぎから、安全保障理事会に対し、イラク査察に関する最新の報告を開始した。二人が口頭で報告を行うのは二月十四日以来。報告後、出席した各国外相らが意見を表明し、続いて非公開の協議に移る。協議は、武力行使の容認か査察継続かをめぐり、激論となるのは必至だ。イラクをめぐる外交協議は、ついに「最終段階」(ブッシュ米大統領)に突入する。
ブリクス委員長は報告で、イラクの弾道ミサイル「アッサムード2」の廃棄を「真の武装解除」と評価する一方で、化学・生物兵器の廃棄などに関しては「疑問が残る」との見解を示すとみられる。
また委員長は、未解決の問題を列挙した「作業文書」を公表する。同文書は二十九項目の疑問が列挙され、解明にあたってのイラク側の責務も明示される。
委員長は五日の記者会見で、イラクの「過去の経緯」を理由に、査察団としては査察継続を求めないことを表明。また、イラクの協力は「(米英の)武力の脅威」を受けてのものだとし、自発的ではないとの見方を示している。報告後の協議では、こうしたイラクの「協力」姿勢や査察継続の是非などに議論が集中するとみられる。
米英とスペインはこれまでに、武力行使を容認する決議案を提出しており、週明けにも採決に付すとみられる。ただ英国は、これに二、三日程度の「履行期限」を追加し、武装解除のための「最後の『最後の機会』」を与える修正案を検討している。
安保理では同決議案のほか、査察の四カ月以上の継続を求めるフランスとドイツ、ロシアの「覚書」や、イラクの協力を見極める期限を今月末に設定するカナダの妥協案などが示されている。
アナン事務総長も六日、各国の立場は「固い」と述べるなど、武力行使、査察継続の両派の対立は深刻。情勢の行方は不透明だ。