ミサイル廃棄を評価―査察委員長
「多くの疑問符」も残る
8日未明(日本時間)に安保理報告
【ニューヨーク5日池本拓】国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)のブリクス委員長は五日の記者会見で、イラクの弾道ミサイル「アッサムード2」の廃棄について「重要で目に見える協力」と評価した。一方で、化学兵器の廃棄などに関しては「疑問符」が付くと述べた。委員長は七日に安全保障理事会で報告を行うが、同様に評価の入り交じったものとなる見通しで、米英とフランスの間の溝を埋めるのは難しいとみられる。
会見で委員長は、アッサムード2の廃棄を「真の武装解除」と明言。さらに、資料の提出や科学者の聞き取り調査で前進があったことを指摘し、「過去一カ月(の協力)は非常に積極的だった」と評価した。
その反面、イラクが過去に行ったと主張する化学兵器などの廃棄については「多くの疑問符」が付くとし、疑惑の解明に至っていないとの見解を示した。
委員長は七日の報告に合わせ、未解決の問題を列挙した「作業文書」を公表する予定だ。同文書は二十九項目の疑問が列挙され、解明にあたってのイラク側の責務も明示されている。
ブリクス委員長と国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長が報告を行う安保理の公式会合は、各国の外相が出席して七日午前十時(日本時間八日午前零時)から開かれる。
理事国の対立の溝は依然深く、委員長が「最も重要」と指摘したアッサムード2の廃棄でさえも、米英は「欺まん」、フランスなどは「査察の成果」と主張し、評価は分かれている。米国が来週中にも開戦を決断すると伝えられる中、安保理に残された時間は少なくなりつつある。