イラク協議、物別れ―安保理
査察の成果「限定的」―委員長の報告案
【ニューヨーク27日池本拓】国連安全保障理事会は二十七日、イラクの大量破壊兵器問題で非公開の協議を開催した。この中で、武力行使の容認を求める米英の新決議案と、査察の強化・継続を主張する仏独などの「覚書」について話し合われたが、物別れに終わった。
三時間以上に及ぶ協議の後、安保理のプロイガー議長(ドイツ国連大使)は「極めて激しい会合だった」と述べ、激烈なやりとりがあったことをうかがわせた。同議長によると、理事国はイラクの完全な武装解除の必要性では一致したものの、査察の継続・強化の是非をめぐって対立は残ったままという。
英国のグリーンストック国連大使は、イラクの欺まんや隠ぺい工作の事実を直視することが重要と主張。これに対し、フランスのドラサブリエール国連大使は、「理事国の大多数は、戦争を決断する時はまだ来ていないと考えている」とし、査察継続に支持が集まっていると強調した。
安保理十五カ国のうち、まだ態度を明確にしていないのは非常任理事国のアンゴラやカメルーン、チリ、ギニア、メキシコ、パキスタンの六カ国。これらの国々は、武力容認、査察継続の両陣営が進める激しい多数派工作の間で、板挟みになっている。
チリのバルデス国連大使は、常任理事五カ国を「互いに歩み寄るための努力をせず、決定を非常任理事十カ国に負わせようとしている」と非難。両陣営が妥協に向けて動くよう注文を付けた。
一方、UPI通信などは二十七日、国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)のブリクス委員長が三月一日に提出する査察の定期報告書の草案を入手し、その内容を伝えた。
この草案は数日前に作成されたものだが、委員長はこれまでの査察について「武装解除という点で、成果は非常に限定的」と報告。「禁止物資やその廃棄を示す証拠の発見のために、もっと努力することができたはずだ」「なぜもっと早期に協力が実施されなかったのか理解し難い」と述べるなど、同国に対して厳しい内容になっている。