「最後の機会、逸した」―米英が新決議案提出
仏独ロ「時まだ至らず」―「覚書」示して対抗
【ニューヨーク24日池本拓】米英両国とスペインは二十四日、国連安全保障理事会の非公式会合で、イラクが大量破壊兵器を廃棄する「最後の機会」を逸したと認定する決議案を共同で提出した。これに対してフランスは同日、ロシア、ドイツの支持を受け、査察の継続・強化を求める「覚書」を提出、米英などをけん制した。米英は今後、査察団の安保理報告(三月七日)をにらみながら、約二週間の協議期間を置いて採択に持ち込みたい考えだ。
決議案は英国が提出したもので、イラクの大量破壊兵器に関する申告書の不備やこれまでの安保理決議の不履行などを指摘。「イラクは決議一四四一が与えた最後の機会を逸した」と断定する内容。決議案には履行期限が設定されておらず、採択は武力行使に直結する。昨年十一月に採択された決議一四四一は、決議違反に対する「重大な結果」を警告していた。
米国のネグロポンテ国連大使は同日、「時間を求める声に注意深く耳を傾けてきた」としながら、「サダム・フセイン(大統領)には武装解除のための時間は有り余るほどあった」と指摘した。
米英両国のこうした動きに対し、仏独ロは同日、査察官の数を増やし、今後四カ月以上にわたって査察を継続することを求めた「覚書」を提出した。覚書は「決議」ではないが、査察についての安保理の方針を定めるものと位置付けている。
覚書は、イラクの大量破壊兵器保有について「疑念が残っている」としながら、「証拠」がないことを理由に武力行使に反対している。フランスのドラサブリエール国連大使は同日、「武力という選択肢を議論する時はまだきていない」と語った。
安保理では、決議案と覚書について、二十七日に再び非公式の協議を行う。