新決議採択へ外交攻勢―米英
安保理の9票確保目指す
【ワシントン20日時事】米英両国は、イラクの武力行使を事実上容認する新決議の早期採択を目指し、安保理メンバーへの外交攻勢を強化している。世界中でイラク戦反対の声が強まる中、米政府は昨年十一月の安保理決議一四四一のような全会一致での採択はあきらめ、「決議採択に必要な賛成九票の確保と常任理事国の拒否権阻止」(フライシャー大統領報道官)に主眼を置いている。
二十日付の米紙ワシントン・ポストによると、米英両国は来週初めに決議案を非公式に提示する計画だが、現段階ではまだ決議採択のめどは立っていない。正式提示は、国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)のブリクス委員長の追加報告後になるという。
ブッシュ大統領は二十一、二十二の両日、安保理理事国のスペインのアスナール首相をテキサス州にある大統領所有の牧場に招き、米政府への支持を改めて要請。ライス大統領補佐官(国家安全保障担当)らが、ワシントンでフランスとロシアの政府高官と接触し、拒否権を行使しないよう説得しているほか、二十三日から訪中するパウエル国務長官も中国側に働き掛ける方針だ。
米政府は、安保理理事国のうちスペイン、ブルガリアは決議に賛成し、議長国のドイツやシリアが反対に回る可能性が強いとみている。九票を獲得するには、その他六カ国のうち五カ国が賛成する必要があり、今後、経済支援などをちらつかせて賛成するよう圧力を掛けるとみられる。
米英両国は新決議案で、イラクによる「重大な決議違反」に対し、「深刻な結果」(武力行使)をもたらすことを改めて明示する方針。さらに、イラクの決議履行の最終期限や、ブリクス委員長が先の報告で指摘した射程百五十キロを超えるミサイルの廃棄など、一定の「履行基準」を設けることも検討しているもようだ。