タイル破損? 再突入ミス?
残がい回収し分析へ―米シャトル事故
【ニューヨーク1日時事】一日の米スペースシャトル「コロンビア」の事故原因をめぐり、(1)打ち上げ直後にはがれた外部燃料タンク断熱材の接触による左翼部の耐熱タイル破損(2)不適切な角度による再突入――などの可能性が指摘されている。航空宇宙局(NASA)は、広範に散らばった機体の残がい回収を急ぎ、分析を進める方針だ。
シャトルが大気圏に再突入する際、機体外部の温度は空気との摩擦で一六○○度にも上る。この熱から機体を防護するのが約二万四千枚の耐熱タイル。タイルの損傷は船内の飛行士には修復不可能で、一回の飛行ごとに点検されている。
これまでにも、耐熱タイルの一部がはがれるトラブルは起きている。NASAは一月十六日のコロンビア打ち上げ時のトラブルを検証したが、安全面で懸念はないと結論づけていた。しかし、事故直前に左翼部に異変が起きていたことから、この問題を再調査する方針だ。
また、専門家の間では、再突入時の角度を誤り、機体に過度の圧力がかかって分解につながった可能性を指摘する声もある。シャトルは再突入の際、エンジンではなくフラップのみで制御されるため、問題があった場合の立て直しが非常に難しいとされる。これまで米シャトルで事故はなかったが、再突入は最も難しい段階の一つだ。
一方、テロの可能性については、事故直後から否定的な見解が示された。地上六十四キロ上空まで届く地対空ミサイルはなく、NASAも「地上の何か、あるいは何者かによって起こされたと信じる根拠はない」と明言している。
原因解明のカギを握る機体残がいの回収は大変な作業になりそうだ。当局はテキサス州周辺の住民に、残がいを見つけたら直ちに通報するよう呼び掛け、持ち帰れば刑事罰に問われると警告。NASAスペースシャトル計画のディットモア部長も「飛行機事故のような調査になる」と原因解明に時間がかかることを示唆している。