「必要なら米国の総力で戦う」-米大統領が一般教書演説
国務長官が2月5日に安保理で情報開示
【ワシントン28日原田正】ブッシュ米大統領は二十八日午後九時(日本時間二十九日午前十一時)過ぎから米連邦議会で一般教書演説を行い、イラクは国連の武装解除要求に「完全な侮辱」で応えたと述べるとともに、パウエル国務長官が安保理に対し、イラクの大量破壊兵器計画とアルカイダを含むテロ組織との結びつきに関する情報を開示するとして、二月五日に安保理協議を開催するよう要請。「イラクの武装解除に必要なら、米国の総力をあげて戦い、勝利するだろう」と述べた。
ブッシュ大統領は演説の前半を経済、健康保険など内政課題にあてた後、イラク問題に集中的に時間を割いた。
大統領はその中で、大量の炭疽(たんそ)菌やボツリヌス毒素を生産するための原料を廃棄した証拠がないことなどを詳細に説明。イラクが最近、アフリカからかなりの量のウランを入手しようとしたとする英国の情報、核兵器を生産するのに適した高強度アルミニウム管を入手しようとしたとの米情報機関の情報を紹介し、「イラクの独裁者は武装解除していない。それどころか、彼は(われわれを)欺いている」と言明。
情報源からの証拠、会話の傍受などの内容は、サダム・フセイン大統領がアルカイダを含むテロ組織を援助・保護し、また、大量破壊兵器を手渡したり、開発を手助けする可能性があることを暴露していると指摘した。
さらに、国内外の批判を意識して大統領は「脅威が差し迫ったものになるまで、行動してはならないと一部の人々は言う。いったい、いつからテロリストや暴虐者が攻撃の前に丁寧に知らせてきたことがあるだろうか」と述べるとともに、「この脅威が完全かつ突然に出現することを許してしまえば、すべての言葉もすべての非難も遅すぎる。サダム・フセインの正気や自制を信頼することは戦略でも選択肢でもない」と強調した。
また、難民の証言として、イラクでは親が見ている前での子供に対する拷問から性的暴行に至るまで深刻な人権侵害が行われていることにも言及し、「これが悪でないなら、悪は意味をもたない」と言明した。
そのうえで、大統領は国務長官が米国の保有する情報を開示するとして、二月五日に安保理協議を開くよう要請したうえで、「われわれは協議はするが、誤解しないでほしい。サダム・フセインが完全に武装解除しなければ、われわれは同盟を率いて彼を武装解除させる」と強い調子で語った。
北朝鮮については大統領は、「世界を欺き、核兵器を開発しようとしている。北朝鮮は核兵器計画を利用して恐れを誘発し、譲歩を引き出そうとしている」と述べたうえで、「米国と世界は、脅迫されることはない」と明言。日韓、中国、ロシアと協調して引き続き平和的解決を求めていく方針を改めて示した。