疑問列挙、厳しい内容に/査察団、安保理に報告
【ニューヨーク27日池本拓】国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)のブリクス委員長は二十七日午前、イラクの大量破壊兵器査察に関する初めての公式報告を行った。委員長は公開協議で行った三十分余りの報告の中で、査察に対する制限や査察団が直面した迷惑行為、生物・化学兵器、ミサイル開発の各分野について数々の疑問点を列挙。「査察はゲームではない」「イラクは今でさえ、自らに課せられた武装解除を真に受け入れているようには思えない」と発言するなど、同国に対して厳しい内容となった。
ブリクス委員長はイラク側の協力について、対象施設すべてに立ち入りを認めていることを指摘したが、査察の遂行には「実質」的な協力が不可欠と語った。ただ、委員長は査察の延長には言及しなかった。
委員長は、イラクが提出した一万二千ページに及ぶ申告書について「新しい内容はほとんどない」と明言、「大量破壊兵器の有無は判断できない」と従来の見方を繰り返した。
生物・化学兵器では、@VX神経ガスの開発をめぐる矛盾した情報があるA今月十六日に発見された化学兵器用弾頭は過去二、三年以内に運び込まれたB炭疽菌が申告よりも多く製造された形跡があるC炭疽菌がイラクが廃棄したと主張する日時より後の時点でも保有していた形跡がある―などの「未回答の疑問」の一部を列挙した。
査察の実務面では、イラク側がU2偵察機の使用を事実上拒否していること、当局者の立ち合いなしでの科学者の聴取が実現していないことなどの問題を説明した。
また査察団に対する迷惑行為として、@当局が査察官を「スパイ」と非難したA査察現場などで当局主導と思われるデモが繰り返されているB査察官が観光目的でモスクを訪れたことを「抜き打ち査察」などと非難した―などを挙げた。