イラク査察、短期の延長で調整か
米「自衛権」発動も視野
【ニューヨーク27日池本拓】国連安全保障理事会では、二十七日の報告を受け、現状の下での査察継続の是非をめぐる協議が一挙に活発化する。米英両国がイラクの「差し迫った脅威」を強調する一方、フランスやロシア、中国、ドイツなどは査察継続を主張して対立しているが、短期間の査察延長で調整が図られる可能性がある。
これまでのところ、今月の安保理議長国であるフランスと来月の議長国ドイツはともに、性急な武力行使への反対を公言。ドビルパン仏外相は二十六日、国営テレビのインタビューで、査察を「数週間から数カ月」延長すべきだと語った。
一方、ブッシュ米政権は先週から政権高官を総動員し、「イラクは“反査察活動”を行っており、査察は機能していない」として、延長に反対する姿勢を鮮明にしている。同時に、大量破壊兵器がイラクからテロ組織に流れる可能性を指摘。安保理が動かない場合、仏独以外の同盟国とともに「先制的自衛」の権利を発動して、武力行使に踏み切る決意だ。
しかし、米国の場合、武力行使の準備が整うのが二月中旬以降になることから、「数週間」程度の査察延長なら受け入れる、との見方がここにきて出ている。
ただ、慎重派のフランスにしても、シラク大統領が軍首脳に「あらゆる事態への即応態勢」を指示している。イラクがその姿勢を根底から転換しない限り、安保理が次第に武力行使に傾いていくのは避けられない情勢だ。