対イラク攻撃で戦術核使用も検討―米軍事専門家
【ロサンゼルス25日宮城武文】ロサンゼルス・タイムズ紙に定期的に執筆している軍事問題専門家ウィリアム・アーキン氏がサンデー版に掲載した記事によると、米軍の対イラク攻撃計画立案者は近く深くの標的を破壊するため、「バンカーバスター」と呼ばれる戦術核の使用も検討しているという。
アーキン氏が米軍幹部へのインタビュー及び様々な文書をもとに執筆したもので、米軍立案者はイラクが生物・化学兵器を使用した場合の報復として、もしくは先制攻撃的に戦術核を使用することを選択肢の中に入れているという。
米政府高官は大量破壊兵器が地中深く配置されている場合には、戦術核兵器が唯一の破壊手段だと信じており、その場合の放射線の影響は限られていると主張している。しかし、この点に関しては内部でも批判があり、放射線被害は甚大なものがある上に、米国が核を使用することで、他の核兵器保有国も似たような状況で核兵器を使用することを促すことになり、半世紀間続けられてきた核拡散防止努力が水泡に帰する恐れもあるとして、反対する意見もある。
「バンカーバスター」は対アフガン戦争で、山中の洞窟にこもったタリバン兵とアルカイダ・テロリストを攻撃するために使用されたが、これは高性能爆弾であっても核兵器を搭載したものではなかった。この際には、地下三十メートル、コンクリートだと六メートルほどの深部の標的を破壊できる能力があることが示されている。戦術核搭載の場合はこれよりはるかに破壊的能力が増す。
「もし米国がそのような核爆弾を対イラク攻撃で使用することになれば、軍事的には成功を収めるかも知れないが、(世界各国からの反発を買うことで)外交的、政治的、戦略的には大失敗をもたらすだろう」と、カーネギー平和研究所で核不拡散問題を研究しているジョセフ・シリンシオン氏は警告している。