協力科学者の殺害命令―イラク大統領
米国防副長官が明かす
【ニューヨーク23日池本拓】ウルフォウィッツ米国防副長官は二十三日、イラクのフセイン大統領が、同国の科学者が国連査察団に協力した場合、家族ともども殺害するよう命令を出していると述べた。同日の有力シンクタンク「外交問題評議会」での講演の中で、複数の情報筋の話として語った。
さらに副長官は、科学者は査察団に何を話すかを教え込んでいること、情報当局者が科学者になりすまし、査察団の聴取に応じようとしていることなどを明らかにした。また、イラク当局はこれまでに、会話の秘密が守られる環境での聴取を一回も認めていないことを強調した。
副長官は、一九九〇年代に大量破壊兵器の廃棄を行った南アフリカやウクライナ、カザフスタンを引き合いに出し、これらの国では政治の強い意思、国際機関への協力、検証可能な廃棄プロセスがあったと指摘。その上で「イラクの状況は正反対」と述べ、同国政府が「反査察活動」(副長官)を行っている現状では、査察による武装解除は難しいとの見方を示した。
副長官はまた、米国が行っている査察団への協力内容として、@重要情報を握っている思われる個人のリストの提供Aイラクの兵器開発についての分析B査察の進め方についての助言Cイラク当局の干渉を防ぐための防諜支援―などを挙げた。