米国務長官「申告書は重大な決議違反」
対イラク戦の可能性強まる
【ワシントン19日原田正】パウエル米国務長官は十九日、国務省で記者会見し、イラクの大量破壊兵器開発計画に関する申告書について、国連安保理決議の要求に全く応えておらず、「重大な決議違反」だと非難した。米政府が開戦の根拠となる「重大な決議違反」を宣言したことで、対イラク武力行使は避けられない情勢となってきた。
国連安保理が十一月八日に採択した決議1441号は、イラクに対し、大量破壊兵器について「正確かつ全面的かつ完全な」申告書の提出を要求していた。
パウエル長官は申告書について「われわれの専門家は、この申告書は正確でも、全面的でも完全なものでもないと判断した。これは、決議の要求にまったく応えていない」と述べたうえで、「それらは重大な欠落であり、新たな重大な決議違反となる」と宣言した。
長官は欠落の例として、一九九八年末に国連査察チームがイラクから退去させられる前に、同国が二万六千リットルの炭疽(たんそ)菌を生産していたと結論づけていたにもかからわず、申告書は一切触れていないと指摘した。
長官は、安保理常任理事国などと引き続き協議する意向を示し、即時武力行使の可能性を否定したが、「イラクは最後のチャンスを失う途上にある」「世界は永遠に待つことはない」と言明した。