申告書は「不十分」―査察委員長
安保理で概要説明
【ニューヨーク19日池本拓】国連安全保障理事会は十九日、イラク問題について非公開の協議を行い、国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)のブリクス委員長と国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長が、これまでの査察やイラクが提出した大量破壊兵器開発に関する申告書の概要などを報告した。
ブリクス委員長はこの中で、「大量破壊兵器はすべて廃棄した」とのイラク側の主張について「現時点では、肯定も否定もできない」とした上で、「申告書の内容は不十分」との見解を示した。
委員長はこの後、記者団に対し、申告書について「イラクの主張を裏付けるだけの十分な証拠が示されていない」と指摘。エルバラダイ事務局長も、イラク側は「(査察の)プロセス」には協力しているが、「内容」面で一層の協力が必要だと語った。
二人は会見で、申告書にない情報として、具体的に炭疽菌とアルミ管の例を挙げた。
イラクは一九九五年、炭疽菌を八千五百リットル製造したと申告したが、この数字を裏付ける十分な証拠がない。九〇年代に査察を行った国連査察団は、イラクの同菌の製造能力を「二万四千リットル」と算定していた。
またイラクは、ウラン濃縮に必要な数万個のアルミ管を入手しようとしていると伝えられているが、これについての言及も申告書にはなかった。
安保理は申告書の問題について、来月の早い時期に再び協議する。
UNMOVICとIAEAは今後も申告書の分析を行い、その結果を含め、来月二十七日前後に、査察に関する最初の公式報告書を安保理に提出する。