「イラクは決議違反」米政府きょうにも宣言へ
開戦の理由にはせず―米紙
【ニューヨーク18日池本拓】ブッシュ米政権はイラクが提出した大量破壊兵器開発に関する申告書に遺漏があると結論付け、「安保理決議への違反」として十九日にも発表する。十八日付の米紙ニューヨーク・タイムズが、複数の政権当局者の話として伝えた。ただ、関係者によると、同政権はこの申告漏れのみをもって「開戦理由」とはせず、「イラクによる一連の決議違反の一つ」と位置付ける方針のようだ。
国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)のブリクス委員長も、十九日に申告書の暫定的な分析結果を安保理に報告する予定だが、米政権による「決議違反」宣言が、イラクのみならず、安保理と査察団に対しても圧力となるのは確実。査察の切り札とされるイラク人科学者への尋問に弾みがつくことも予想される。
同紙によると十七日、国務省高官がブリクス委員長と非公式に会談した。この席で高官は、「大量破壊兵器も、長距離ミサイルも保有していない」というイラクの申告には欠陥があるとする情報当局の見解を伝え、証拠の一部を示した。
同日午後には、国務長官や国防長官、副大統領らで構成する安全保障会合が開かれた。この中では、イラクの化学・生物兵器開発計画の申告漏れや核開発を放棄したとの主張について、「消極的とは言えない抵抗」(ある当局者)との認識で一致しつつあったという。
ただ、政権関係者によると、ブッシュ政権は申告漏れだけで、武力行使を正当化する「重大な(決議への)違反」と認定することはしないとの公算が大きい。