原本開示は「問題ない」―イラク申告書で国連総長
「完全協力」なら戦争回避
【ニューヨーク9日池本拓】アナン国連事務総長は九日、イラクの大量破壊兵器に関する申告書の原本が安全保障理事会の常任理事五カ国に開示されたことについて、「問題はない」との見方を示した。国連本部で記者団に語った。
安保理は当初、申告書に大量破壊兵器の製造・拡散を助長しかねない情報があるとして、一部を削除した申告書を理事国に開示する方針を決めていた。しかし、安保理のバルディビエンソ議長(コロンビア国連大使)は八日夜に報道声明を出し、米英仏ロ中の常任理事五カ国に限って原本を開示すると発表した。
この方針転換について事務総長は、「安保理が決めたことであれば、異論はない」として容認した。
また事務総長は、申告書を期限内に提出したイラクの協力姿勢について「文書は届いたばかりだ」とし、査察団による分析が終わるまで判断を留保する考えを示した。その上で「フセイン大統領が武装解除し、査察団に完全に協力し、国連に対するすべての義務を尊重すれば、戦争は不可避ではない」と述べ、決議の完全履行を改めてイラクに求めた。