イラク制裁限定解除を9日間の暫定延長に―国連安保理
米、規制品目の追加を検討
【ニューヨーク25日池本拓】国連安全保障理事会は二十五日夜(日本時間二十六日朝)、イラクの石油禁輸部分解除措置が同日で期限切れになるのを前に、これを十二月四日まで、九日間のみ暫定的に延長することを定めた決議を全会一致で採択した。暫定延長となったのは、輸入規制品目のリストの修正を求める米国が、同措置の延長期間の短縮を提案したが、交渉がまとまらなかったためだ。
同措置は、食料や医薬品の購入など人道目的に限定して石油輸出をイラクに認めるもので、一九九六年から続いている。
米国はこの数日の協議で、「輸入規制品目リストに記載がないもので、軍事利用の可能なものがある」と主張。リストの修正のため、同措置の延長を従来の百八十日ごとではなく、九十日ごとにするよう提案した。
米国のネグロポンテ国連大使は協議後、そうした品目の具体例として、一定量のアトロピンと自動注射器、全地球測位システム(GPS)の電波をかく乱する装置、電波の方位測定機器などを挙げた。
アトロピンは神経ガス中毒の治療に用いられるが、イラク政府は最近、これを大量に輸入しようとしている。アトロピンを投与するための自動注射器は、「民生利用はあり得ず、化学兵器が使用された場合にのみ用いられる」(同大使)という。また、GPSは米軍が航空機の航行やミサイル誘導などに利用している。
ネグロポンテ大使は一方で、「米国は同措置に基づくイラクへの人道支援を支持してきたし、今後もそうし続ける」と述べた。
安保理では、十二月四日の新たな期限に向けて協議を継続する。