米上下両院、対イラク武力行使容認決議を採択
安保理での攻勢強化へ
【ワシントン10日原田正】米下院本会議は十日午後、ブッシュ大統領に対し対イラク武力行使の権限を容認する決議案を賛成296反対133の圧倒的多数で採択した。続いて上院も十一日未明、同じ決議案を賛成77、反対23で採択した。ブッシュ大統領は、米議会の承認で、イラク攻撃への「お墨付き」を得た。米英は強力な対イラク国連安保理決議案を作成し、採択へ根回しを進めているが、国内の支持をまとめることができたのを受けて同決議案の採択を理事国に強く迫る構えだ。
決議は、武力行使前に国連との協力、外交努力の限りを尽くすことを求めているが、武力行使にあたっては、国連の下であろうとなかろうと行動を起こすことを許している。一方で、攻撃前か、武力行使後四十八時間以内に下院議長、上院議長代行へ報告することや六十日ごとの議会への報告を義務付けるなど、戦争権限に一定の歯止めをかけている。
九一年の湾岸戦争前には、対イラク武力行使容認決議を下院、賛成250対反対183、上院、賛成52、反対47で採択している。ブッシュ大統領は父親の時以上の賛成多数で両院の支持を得たことになる。
上院では十日、採択に否定的だったダシュル民主党院内総務が「政権が武力行使の前後に必要な作業を行わずに権限を行使しようとすれば、状況は悪くなろう」と警告しながらも、決議案支持にまわった。
下院の決議採択後、ブッシュ大統領は歓迎声明を出し、「下院はきょう世界と国連に対し明確なメッセージを送った」と述べるとともに、「イラクが無法国家として行動する時代は終わりを告げようとしている」と語った。
米議会からの強い支持を受け、ブッシュ大統領は今後、国連安保理での新決議案早期採択へ常任理事国、ロシア、フランス、中国などへの外交攻勢を強めるとみられる。