米ロの溝埋まらず/イラクめぐる安保理決議問題
【ワシントン20日時事】米国を訪れているロシアのイワノフ外相とイワノフ国防相は二十日、ブッシュ大統領、パウエル国務長官らと会談し、イラク問題を中心に協議した。焦点となったイラクの大量破壊兵器査察をめぐる国連安保理決議問題では、双方の主張の溝は埋まらず、合意には至らなかった。
イワノフ外相は一連の会談後の記者会見で「イラクで査察を始めることがまず重要だ。八年間に約七千回の査察が実施され、大量破壊兵器の廃棄、開発阻止に貢献した」と強調。新たな決議採択に時間をかけることなく、早期に査察を開始すべきだと改めて主張した。
米政府はこれに対し、イラクの大量破壊兵器の武装解除を実現するため、これまでの決議と異なる強硬かつ包括的な決議の採択を安保理に求め、協議は難航している。
ブッシュ大統領が同日発表した「国家安全保障戦略」で、脅威に対する先制攻撃ドクトリンを打ち出したことについて、同外相は「いかなる国家への武力行使も国連安保理の承認を受けるべきだというのがロシアの確固とした立場だ」と述べ、懸念を表明した。
イワノフ外相らはまた、米ロ両国が今年五月の首脳会談で設置を決めた「戦略安保諮問グループ」の初会合にも出席。ミサイル防衛網の共同研究や大量破壊兵器の拡散防止問題などについて意見を交換した。