ブラジル、イラク向けウラン輸出疑惑でICPOと捜査協力か
【サンパウロ17日綾村悟】ブラジルの有力日刊紙「ジャーナル・ダ・タルジ」が十七日、報じたところによると、イラク反体制派の科学者が「イラクはブラジルから輸入した濃縮ウランを使って年内に核爆弾の開発が可能」と発言したことをめぐって、ブラジル連邦警察がインターポール(ICPO、国際刑事警察機構)と合同捜査に乗り出す可能性がある。
同紙によると、ブラジル連邦警察の関係者は「(科学者の)情報が捜査によって確認されれば、非常に深刻な事態を招きかねない」と語っているという。
事件は、英タイムズ紙十六日付の特報に端を発したもの。一九九四年にイラクを脱出したイラク反体制派の科学者は、その何年も前にイラクがブラジルから購入した一・三トンの濃縮ウランが現在、処理されており、年内には核爆弾が使用可能になる可能性がある、と語っている。
また、ジャーナル・ダ・タルジ紙によると、イラクは、八〇年代に同国がブラジルから輸入したウラニウムの正確な量を国際原子力機関(IAEA)から隠そうとしていたという。
IAEAのリポートは、国連の査察団が九一年から九七年にかけてイラクの核製造能力を調査していた際に、ブラジルから輸入したとみられるウラニウム二十四トンを発見したと報告している。
ジャーナル・ダ・タルジ紙と姉妹紙のエスタード・デ・サンパウロ紙の共同調査は、ブラジルは非公式に数十トンに及ぶ濃縮ウランを七九年から九〇年にかけてイラクに輸出していた、と主張している。
政府系のブラジル通信が十六日に報じたところによると、同国の国家核エネルギー委員会が、濃縮ウランを七九年から九〇年にかけてイラクに輸出したことを十六日に公表している。同委員会は、全体の輸出量に関しては調査中としている。