フセイン政権延命を警戒/強制査察で早期打倒目指す―米
【ワシントン17日時事】ブッシュ米政権は、イラクによる無条件の大量破壊兵器査察受け入れ表明を攻撃回避のための「時間稼ぎ」として、極めて懐疑的に受け止めている。米政府にとって、あくまで最終目標はフセイン政権の打倒。米政府が最も警戒するのは、交渉戦術にたけたイラクがこれまでと同様、査察問題で小出しに譲歩を重ねた揚げ句、査察を骨抜きにし、疑惑の立証が不可能となってフセイン政権の延命を許すことだ。
イラクの国連査察受け入れ表明後、米政府は迅速に反応した。アナン国連事務総長がこれを発表した直後、ホワイトハウス当局者は用意していたかのように、「考慮する余地もない」と論評。間もなく、「イラクが無視してきた安保理決議を履行させるための新しい、効果的決議を採択すべきだ」との声明を発表した。
一九九八年のイラク危機の際にも、フセイン政権はアナン事務総長に「査察再開の無条件受け入れ」を表明、いったん査察を受け入れた。しかし、結局査察への協力を拒否、米英軍が武力行使に踏み切った。このため、ブッシュ大統領はじめ政権首脳は査察の効果に懐疑的で、武力行使を含むあらゆる選択肢を検討する方針は変わらない。
米国が採択を目指すイラクへの新たな国連安保理決議は、査察を早急かつ強制的に実施するもので、多国籍軍部隊を査察チームに同行させ、強制査察を実施する案も検討されているもようだ。
国連安保理は十七日以降に査察をめぐる協議を本格化させるが、イラクの受け入れ表明を歯牙にも掛けない米国と、査察再開による政治解決を望むロシア、中国が対立することも考えられる。