無条件で査察受け入れ―イラク
国連安保理が対応協議へ
攻撃回避は不透明
【ニューヨーク16日時事】イラクのサブリ外相は十六日、アナン国連事務総長と会談し、国連による大量破壊兵器の査察を無条件で受け入れるとのイラク政府の決定を伝える書簡を手渡した。アナン事務総長は会談後、記者団に対し、「今後どうするかは安保理が決めなければならない」と述べ、安保理の判断を仰ぐ方針を明らかにした。
ブッシュ米大統領の十二日の国連総会演説後、イラクへの“最後通告”となる決議案の検討を始めていた安保理はこれを受け、対応を協議する。しかし、米国はイラクの姿勢に懐疑的な見方を示しており、直ちに攻撃回避につながるかどうかは不透明な情勢だ。
イラク側は書簡で(1)査察官の無条件受け入れ(2)査察の即時再開に向けた実務協議の意向―を表明。一方で、安保理の関連決議を引用する形で「イラクの主権や領土保全、政治的独立の尊重」を訴え、米国の攻撃回避の努力を行うよう暗に求めた。
アナン事務総長は「(ブッシュ)大統領の演説が国際社会を動かした」と述べ、各国の働き掛けに謝意を表した。その上で「(国連監視検証査察委員会=UNMOVIC=の)ブリクス委員長らは準備を整える」と述べ、査察再開と攻撃回避に期待を示した。
イラクは、UNMOVICの前身の国連大量破壊兵器廃棄特別委員会(UNSCOM)時代の一九九八年以降、国連の査察を拒否。今年三月から、イラク側の提案で査察問題に関する対話が行われてきたが、実質的な進展はなかった。