イラク政権打倒で協力を―ブッシュ国連演説
決議に違反、大量破壊兵器開発
【ニューヨーク12日時事】ブッシュ米大統領は十二日午前(日本時間同日夜)、国連総会で演説し、イラクのフセイン政権について、国連安保理が採択した十六の決議に十年以上にわたり違反し、大量破壊兵器の開発を続けてきたと強く非難、同政権打倒に向け国際社会が一致団結して協力するよう求める。
大統領は、大量破壊兵器の廃棄を監視し、同兵器開発を防ぐための国連査察をイラクに義務付けた安保理決議などに対し、フセイン政権は違反を重ねてきたと指摘。同政権を「非合法政権」と宣言する。
ホワイトハウスは大統領の国連演説に先立ち、フセイン政権による化学・生物・核兵器や弾道ミサイルの開発を裏付ける具体例を詳細に示した二十二ページにわたる文書「欺まんと反逆の十年」を公表した。
文書は、イラクが(1)サリンやマスタードガスなど化学兵器として使用可能な化学物質の備蓄を続けている(2)過去十四カ月にわたり、核兵器のウラン濃縮に必要な遠心分離装置に使うアルミニウムチューブの大量購入を図ってきた(3)射程百五十キロ以上の弾道ミサイルを開発している−などとし、同国の大量破壊兵器開発の「脅威」を訴えている。
文書はさらに、女性虐待や拷問、言論抑圧などフセイン独裁政権の非人道的側面も厳しく告発している。
ブッシュ政権は、イラク攻撃を視野に着々と準備を進めているが、国連安保理常任理事国のロシア、中国はこれに強く反対。英国を除き、同盟諸国にも慎重論が強い。このため、ブッシュ大統領はイラクの脅威を具体的に示すことで、国際社会に米国の対イラク軍事力行使を容認させることを狙っている。