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最期の地に響く2801の名―NY追悼式典

「悲劇、決して忘れない」

祈りと涙、遺族ら献花

 【ニューヨーク11日時事】一年前のこの瞬間、あの人はここにいた―。ニューヨークの世界貿易センタービル跡地で行われた犠牲者追悼式典。参列した遺族は十一日午前(日本時間同日夜)、摩天楼の谷間にぽっかりと口を開けた「グラウンド・ゼロ」で、静かに祈り、涙し、最愛の人に思いをはせた。

 頭上には一年前のあの朝と同じ青空。しかし、ツインタワーの面影も、大惨事を思い出させるがれきや異臭も、今はもうない。

 一機目のハイジャック機が激突した午前八時四十六分、黙とうでスタートした式典。ジュリアーニ前市長をはじめ、遺族代表九十八人と関係者が交代しながらステージに。強風で時折大きな砂ぼこりが舞う。世界的チェリストのヨーヨー・マさんらが奏でる悲しい鎮魂の音色をバックに、グラウンド・ゼロの全犠牲者二千八百一人の名が響いた。

 二機目が突っ込んだ午前九時三分には、養父を失った女性が「最後に愛していると言ったのはいつだか覚えていないけど、一番のお父さんだった」と語り掛け、会場の涙を誘った。

 日本人で初めて遺体が確認されたユーロ・ブローカーズ副社長の高橋啓一郎さん=当時(53)=の長男啓之さんも演壇に。会場には「わたしたちは決して忘れない」の横断幕も。遺族は、愛する人の名を聞き漏らすまいとするかのように静寂を守り、静かに祈った。

 名前の朗読に合わせ、遺族はゆっくりとスロープを下り、初めて立ち入りを許されたグラウンド・ゼロの最深部に。遺影や思い出の品を手にした人々は円形の献花台に歩み寄り、赤や黄のバラやヒマワリを手向けた。周囲では、失った家族に語り掛けるかのように、目を閉じて祈りをささげたり、肩を抱き合ったりする姿が見られた。

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