イラク攻撃で近く決断―米副大統領
来月にも議会に承認要請
【ワシントン8日時事】チェイニー米副大統領は八日、NBCテレビの番組で、対イラク軍事行動について「向こう数週間に何が起きるかによるところが大きい」と言明、ブッシュ政権の決断時期が近いことを示唆した。さらに、「(十一月五日の中間選挙に向けて)議員が選挙区に戻る前に、(米政府の対イラク行動を承認する)投票を行うよう望む」と述べ、来月にも議会に対して軍事力行使の選択肢を含む決議を求める意向を表明した。
イラクのフセイン政権に対する軍事行動に関しては、ブッシュ大統領が四日付の議会あて書簡で「米国と文明世界は数カ月以内に重大決定に直面する」と言明した。八日のチェイニー副大統領発言はこれに続くもので、イラク問題は一段と緊迫した局面を迎えた。
副大統領はまた、イラクの核兵器開発の推進を示す写真を入手したことを明らかにした上で、米国が標的になるとの認識を示した。さらに、イラクが核兵器製造に不可欠なアルミニウム管を調達するのを米政府が阻止したと伝えた八日付ニューヨーク・タイムズ紙の報道内容も確認した。
一方、慎重派だったパウエル国務長官も八日のFOXテレビの番組で、国土防衛のために米国がイラクに先制攻撃を行う選択肢も容認した。同長官とチェイニー副大統領はいずれも、十二日のブッシュ大統領による国連総会演説の重要性を強調しており、演説後の各国の反応を見極めてから対イラク行動の最終決断を下す姿勢をにじませた。
八日はこのほか、ブッシュ政権の閣僚や高官が相次いで米テレビのインタビューに応じ、対イラク攻撃の必要性を訴えた。このうち、ライス大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は「煙を出している銃をきのこ雲にしたくない」と述べ、フセイン政権の核開発を断固阻止する考えを強調した。