対イラク、共和党にも慎重論―米
強硬派の先制攻撃論を批判
【ワシントン20日時事】ブッシュ政権のイラクへの軍事攻撃に対する慎重論が共和党内から相次いでいる。国際社会の支持を得ないで、イラクを性急に先制攻撃すべきではないとする主張で、ブッシュ大統領も全く無視することはできない状況。イラク攻撃をめぐっては、米政権内でも強硬派と慎重派の対立が根強く残っており、亀裂が深まる可能性もある。
イラク攻撃の慎重論で注目されたのは、現大統領の父、ブッシュ元大統領の国家安全保障担当補佐官だったスコウクロフト氏。十五日付の米紙ウォール・ストリート・ジャーナルで同氏は「(米国だけの)現時点のイラク攻撃は、地球規模の対テロ戦争を危険に陥れる」と警告した。また、巨額の戦費負担が米国や国際経済に深刻な結果をもたらすとし、イラクの大量破壊兵器使用にも懸念を示した。
また、イーグルバーガー元国務長官も十八日のフォックス・テレビで、「なぜ今すぐに攻撃しなければならないのか」と早期イラク攻撃論に疑念を表明。代表的な対イラク強硬派として知られるウルフォウィッツ国防副長官とパール元国防次官補の二人を名指しで批判した。
これに先立ち、キッシンジャー元国務長官も十二日、米国による一方的な先制攻撃は望ましくないとの見解を米紙ワシントン・ポストに寄稿。対イラク慎重派のパウエル国務長官は十三日、キッシンジャー氏と強硬派の封じ込め対策を協議したと報じられている。
こうした中、ブッシュ大統領は二十一日、休暇先のテキサス州クロフォードにチェイニー副大統領やラムズフェルド国防長官らを集めて「軍改革」など軍事問題を協議する。ホワイトハウス当局者はイラク問題は議題ではないとしているが、対イラク強硬派が集まる会合だけに、続出する慎重論への対抗策を協議する可能性もある。